わんぱくだんのたからじま
ゆきのゆみこ・上野与志 作 末崎茂樹 絵
園で大人気の『わんぱくだん』シリーズ。けん・ひろし・くみの3人が今回は海賊に!海を渡り、怪獣と戦い、お宝を探します。現実の砂場から、ビー玉をきっかけにファンタジーの世界へ…男の子も女の子もワクワク楽しめる作品です。
アイスキッズのぼうけん
さとうめぐみ 作
イチゴアイスママはお庭でお花を育てるのが大好きで、毎朝、氷ばなに3つの色のシロップをかけています。ある時、3にんの元気なきょうだい、ソーダラムネくん・マンゴーちゃん・チョコミントくんはシロップのもとを探りにこおりやまに向かいます。
アイスキッズの前に立ちふさがる関門をどうやって切り抜けるのか、お子さんはハラハラするかもしれませんが、敵も憎めないスイーツです。チョコは冷やすと固まる、ドーナツは揚げるもの、などスイーツの知識があればより楽しめます。
ドングリ ドングラ
コヤマスカン 作
ドーン・グラグラグラ…隣の島の山が火を噴き、トチノミタロウ達ドングリは、そこへ向かうことを決心します。仲間はコナラ、カシ、クヌギ、シイ、クリ、松ぼっくりなどの様々な木ノ実たち。みんなまちまちの、自分にあった戦闘装備で旅立ちます。勇ましく歌を歌いながら…。行く手を阻むのは、リス、砂漠、海など…さぁ、彼らは無事にあの島へたどり着けるのでしょうか?
ダイナミックなお話で、細部まで作り込まれた作者さんの世界観が楽しめます。途中で脱落者も発生し、自然界の厳しさを思い知らされます。しかし、脱落してしまった者たちも、いずれは思いがけず巡りついたその土地で芽吹くことでしょう。
ちょろりんととっけー
降矢なな 作
おじさんといとこから「遊びにおいで」と書かれた手紙が届いたちょろりん。地図を片手に旅立ちます。しかし、お留守番のはずの弟がついてきて…
下のきょうだいが無理矢理ついてこようとするところ、親近感がわく上のお子さんも多そうです。川やイタチとの遭遇など危ない場面が多く、ハラハラします。降矢さんの描く、自然の情景やトカゲのきょうだいに迫った緊迫感の表現が素晴らしいです。
たこきちとおぼうさん
工藤ノリコ 作
国を渡り歩いて旅をするおぼうさん。たこの国にやってきたとき、墨を切らして絵が描けず困っているところをたこきちに墨を出してもらい…
たこきちが出した墨で絵を描くと立体になり、船を出してたこきち家族の救出劇が始まります。
お坊さんとたこのコンビ。いいですね。かなり面白かったので、続編が待ち望まれます。
ボンボとヤージュ
ザ・キャビンカンパニー 作
帽子が似合う男ボンボと、尻尾がタンバリンになっているライオンヤージュ。ふたりが暇していたところ、歌う地図が降ってきて、宝探しに出かけます。
海・街などいく先々がどこもカラフルで絵が細かく描かれています。探し絵も楽しめます。キャビンカンパニーさんの鮮やかな、ピンクの使い方が好きです。
おしいれのぼうけん
ふるたたるひ たばたせいいち 作
保育園のお昼寝の時間。ふざけたのがきっかけで喧嘩になり、さとしとあきらは先生に押入れに閉じ込められます。そこは誰もが嫌がる暗くて狭い場所で…
今では子どもが園で暗所に閉じ込められることは無いと思いますが(そう願いたい)、昔は当たり前だったのでしょうか。たくましく、二人は友情と勇気を持ってねずみばぁさんのいる世界を乗り越えます。先生も反省していて、大人の成長も見どころ。
長文なので年長さん向き。
ゆうかんなアイリーン
ウイリアム・スタイグ 作
アイリーンのママは、ドレスを作るお仕事をしています。ある納品の日、ママは熱を出して寝込んでしまいました。アイリーンはドレスの入った箱を持ち、お屋敷の奥様のもとへ届けに行きます。猛吹雪の中を…
現実では考えられないシチュエーションですが、アイリーンの勇敢さには称賛せざるを得ません。母への愛情を胸に、自分を奮い立たせる姿に胸を打たれました。
地獄のそうべえ
たじまゆきひこ 作
超有名な作品ですが、子供たちにウケる理由はなんでしょうか。関西弁でコミカルな会話、怪しくも魅力的な登場人物たち、こんな拷問は嫌だ!と言いたくなる地獄の風景…元ネタは上方落語の「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)という作品だそうです。
ある時、我が家にもそうべえブームが訪れ、軽業師に憧れた子供達は公園のブランコ前の鉄柵で裸足になり、そうべえになる練習をしていました(よいこはマネしないでね)。